「ちょっとしたストレスを自分ではね返せる子の育て方」の感想

「ちょっとしたストレスを自分ではね返せる子の育て方」著・土井高徳

娘が赤ちゃんの時からいろいろな子育て本を読んでいますが、娘が小学生になり、ずっとそばにいるわけではなく、子育ての悩みも変わってきたので、amazonで評判がいい本「ちょっとしたストレスを自分ではね返せる子の育て方」を読んでみました。作者の土井高徳さんは北九州市で「土井ホーム」を運営し、心身に深い傷を抱えた子どもたちとともに暮らしているそうです。同じ福岡県ですが今まで知りませんでした。

経験から書かれた説得力

内容的には他の本にもよくあるように「自尊感情を高めるには褒めることが大事。」「叱るのは冷静に短く具体的に」と言ったことが書かれていました。でも土井さんの多くの経験から書かれているので、内容がとても具体的で説得力がありました。特に「叱り方のNG集」にあった「もうあなたのことなんか知りません!」(脅かす)や「前を見て歩かないと車にひかれて死んじゃうわよ!」(過剰に警告する)など私もつい言ってしまう言葉が載っており、ズキッと胸に刺さりました。

親に対しての優しさ

この本全体を通して感じたのが、親に対して共感してくれ、励まされるような優しさです。これもやはり多くの子どもたちを育てたからこそなのでしょうか。「全部を親が抱え込むことはない」「保育園、幼稚園、小学校の先生やママ友、近所の知り合いなど「社会的な親」と関わることで子どもも成長する」と子育てを全て親が抱え込まず、周囲の人に頼っていいと言ってくれています。子育て本は親に対して「こうしたらいい」と書かれたものが多い中、この本は「もっと気楽に周りに頼っていいんだよ」と言ってくれているようで、心が軽くなりました。ただ、もちろん周りに頼った方がいいんでしょうが、最近は近所の人による子どもの事件なども起こっているので、周りと信頼関係を築くのが難しい時代だなぁと思います。

もし子どもが不登校や万引きしたら

最後の第5章には不登校、人のものを盗る、ウソをつくといった本当に手を焼く子に対する対処法が載っており、私はまだ娘が小さいので想像できませんが、そういった場合もパニックにならず、落ち着いて対処することが大切だと書かれていました。特に親が子どもを愛していることを言葉でも態度でも伝え続け、それが子どもの心に届けば、親がそばにいなくても良心の声が聞こえる「内的ワーキングモデル」ができるという話が印象に残りました。確かに自分も「これをしたら親が悲しむかな」と想像して、悪いことをせずに思いとどまったりしたことがあります。小さいうちは親がそばにいるので親に聞けるし、危ないことをしようとしたら注意できますが、子どもが成長するとだんだん目が届かなくなります。そういったときでもこの「内的ワーキングモデル」があれば、道を踏み外しそうになっても自分で制御できるのだと思います。

子育てはユニバーサルデザインで

一番最後に書かれていたユニバーサルデザインの話も興味深かったです。「ユニバーサルデザイン」とは障害のあるなしに関わらず、誰もが快適に過ごせるデザインのことです。私は以前からデザインに興味があって知っていましたが、子育ての本でこの言葉が出てきたのは初めてで新鮮でした。「発達障害などがある子どもに対応するための工夫は、ごく普通の子どもや大人にとっても有効」という考え方で、例えば片付けが苦手な子どもに対して「片付けなさい!」と厳しく叱るより、片付けしやすいようにカゴを用意したりラベルで色分けする方が効果的だそうです。「子どもに言うことを聞かせるにはどうしたらいいか」ではなく、「子どもができるようにするにはどうしたらいいか」と考えれば、親も無駄に叱らずに済むし、子どもも自分でできて嬉しいはずです。

子どもが思春期になったらまた読み返したい本

この本の内容は、小さい子というよりは小学校高学年以上の子育てに対する内容でした。でもユニバーサルデザインの考え方を子育てにも当てはめるという発想は今まで私の中になかったので、これからは叱りたくなった時は立ち止まって、視点を変えてみたいと思います。また、子どもが思春期になった時にはこの本に書かれている内容が、より役に立つ気がするので、数年後にまた読み返したいと思える本でした。多くの問題のある子どもたちを愛情を持って育てている土井高徳さんを本当に尊敬します。私も広い心で子育てを楽しもうと思いました。

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